正しい学習方法

速読の効果と具体的なやり方・おすすめの教材もレベル別に紹介|リーディングの意味理解プロセスを鍛える

悩む人

英文をもっと速く読めるようになりたい…

英語コーチ ムク

英語コーチが、速読の正しいやり方を教えます!

『英文を速く読めるようになりたいけど、いまいちやり方がわからない』という人のためにこの記事を書きました。

この記事でわかること

  • 速読の効果と注意点
  • 具体的かつ実践的な学習方法
  • おすすめの参考書

速読はTOEICのPart7や、ビジネスシーンであれば資料やドキュメントを読むときに必須のリーディングスキルです。

この記事では、速読の効果や注意点とおすすめの教材、そして超実践的な学習方法を紹介していきます。

速読とは

速読とは
:速読は文字通り「速く読む」ことで、精読学習のあとに行うのが定石。内容を詳細まで把握するというよりかは、文章の目的や概要及びキーセンテンスを把握することを目的としたトレーニング。

速読をやる前に精読学習で正確に読める状態をつくることで、より効果の高い学習が可能になります。

参考:『精読の効果と具体的なやり方・おすすめの教材もレベル別に紹介|リーディングの意味理解プロセスを鍛える

速読学習は英単語や文法の基礎知識があることが前提です。以下の基準を参考にしてください。

  • 単語
    :中学英単語レベルのインプット
    :英→日が1単語0.5秒以内にできる
  • 文法
    :中学英文法レベルのインプット
    :例文も使って詳しく説明できる

この基準を満たしていなければ、速読ではなく単語と文法、そして精読をまずは徹底して学習しましょう。

基礎知識がない状態で速読をしてもリーディング力は伸びません。

参考:『英単語の正しい覚え方|エビングハウスの忘却曲線に基づいた効率的な学習

参考:『英文法の正しい覚え方|エビングハウスの忘却曲線に基づいた効率的な学習

リーディングのプロセスは文字知覚と意味理解がある

リーディングには大きく【文字知覚】と【意味理解】の2つのプロセスがあります。

このうち【文字知覚】はそもそも単語を見たことがあり知っているかというレベルの話なので、知らない=単語力が足りないということ。

つまり、リーディング力をあげる=意味理解力をあげるということになります。

また、意味理解力は【正確さ】と【速さ】から成り立っており

速読は意味理解力のうち【速さ】にフォーカスした学習です。

速読・多読との違い|学習の目的とやり方が異なる

精読・速読・多読は同じリーディングのトレーニングですが、目的と学習方法が全く異なります。

学習目的方法
精読英文構造の理解
正確に読む
SVOC記入
区切り読み
返り読みなし
速読(精読ができ)
速く読む
WPMの計測
返り読みなし
多読(精読ができ)
総合力アップ
WPMの計測
返り読みなし

たまに『精読はやらずに速読から始めたい。正確さは自分には必要ない』という方がいますが、この考え方はよくありません。

なぜなら、精読力がついていない状態で速読学習をしても、身につくのは文章を読んで目に入った単語を基に推測するテクニックだけ。

その推測すら見当違いの可能性があります。

速く読めるようになりたい方こそ、精読学習で正確さを身につけてから速読、そして多読へとシフトしましょう。

精読の記事はこちら↓

多読の記事はこちら↓

速読の効果と注意点

ここからは、速読の効果と注意点について解説していきます。

読むスピードが速くなる

当たり前のことですが、速読学習をおこなうことで読むスピードが格段にあがります。

ただし間違った学習方法でやっても意味はないので、【速読の正しいやり方と注意点】で解説するやり方で速読学習をおこないましょう。

返り読みをしなくなる

返り読みとは、いちど読んだ単語や文章に戻って読んでしまうこと。

【きれいな日本語訳】を頭に作りながら読んでいる人は、返り読みをしているケースが多いです。

速読学習では音読のSTEPがありますが、そこでは意味を考えながら行います。

そうすることで英語の語順のまま内容を理解するクセがつき、返り読みをしなくなるというわけです。

リスニング力も上がる

返り読みをしなくなる副次的効果として、リスニング力が上がります。

日本語は「主語→目的語→述語」の構造で英語は「主語→述語→目的語」。それなのに聞こえてきた文章をきれいな日本語訳に直していると、当然ながら聞き取れなかったり、聞き取れたとしても内容の理解に遅れてしまいますよね。

この状況を改善できるのが速読。返り読みをしなくなり文章を英語の語順のまま理解するクセが自然と身につくことで、聞こえてきた文章も英語の語順そのまま理解できるようになっていきます。

テクニック重視にならないようにする

速読についての説明でよく見かけるのが『スキミングとスキャニングをすれば良い!重要な情報は段落の最初と最後に書かれていることが多い!』という決まり文句。

しかし、速読学習の目的によっては本質的ではありません。例えばTOEICのリーディングスコアを上げたいと考えているとします。そこでスキミングとスキャニングを駆使し結果としてTOEICのスコアも上がったとしましょう。

ここで考えたいのは『そのリーディング力って実務で活かせるの?』ということ。英文メールや資料はTOEICとは全く違い型にはまらないケースが多々あります。スキミングやスキャニングが全く機能しないことだってあり得るのです。

従って、大事なことは膨大な文章・様々な文章のタイプに慣れて、より一文を読むスピードを速めるためのトレーニングをする。これに尽きます。

ではどのような方法で速読を行うのが良いでしょうか。これから詳細を説明していきます。

速読の正しいやり方と注意点

それでは、具体的な学習方法をお伝えします。教材についてはこの後に紹介していますが、おすすめは『TOEICの読解特急シリーズ』。音声がダウンロードできたり自分の実力を数値で測れたりするので、速読の目的がTOEICではない方でも取り組みやすいです。

以下の学習方法も『TOEICの読解特急シリーズ』を教材として解説します。

STEP1: 文書を通しで1回黙読する(時間を測る)

まずは文書を黙読して内容を掴みましょう。このときに、どれくらいの時間で文書を読めたか確認するために時間を測ると良いです。(STEP4で計測時間を使います)

回数は1回だけ読んでください。

STEP2: 問題を解く(時間を測る)

文書を読み終わったら、次に設問に目を通し問題を解きましょう。ここでも、問題を解く時間にどれくらいかかったかを知るために時間を測ります。(STEP4で計測時間を使います)

STEP3:答え合わせをして間違えた箇所を確認する

次は答え合わせです。選択肢を間違えている場合はなぜ間違えたのかを、解説や文書にも目を通しつつ確認しましょう。

そして文書や設問の選択肢に分からない語句があれば、調べて意味がわかる状態にしてください。

STEP4:解答時間およびWPMを記入する

STEP2で計測した設問を解いた時間を文書ページ内に記載、文書を読んだ時間は10ページ目のWPM計測表をみながら該当する箇所に黒ポチで印をつけましょう。

WPMとは
:Words Per Minute。1分間あたりにどれだけの単語が読めているかを知るために、「単語数」÷「読んだ時間(秒)」で割り出す数値。

速読学習【前】の実力を記録として残しましょうということです。

STEP5: 音声を聞きながら本文を黙読する

STEP5では、音声を聞きながら黙読をしていきます。ここで重要なのは、音声と同じスピードで黙読をするということ。

『TOEICの読解特急シリーズ』の音声は1倍速だとWPMが約150、これはTOEICリーディングセクションを最後まで解き切るのに必要なWPMです。

目安を知るために、音声と同じスピードで黙読しましょう。

STEP6:内容を理解しながら本文を音読する

黙読が終わったら、こんどは音声を流さず音読です。

内容を理解しながら音読するので、初めはゆっくりめになってしまうかもしれませんが、全く問題ありません。

ただし最終的な理想はSTEP5で聞いた音声と同じくらいのスピードで音読できることなので、できるようになるまで何回も繰り返し音読するのがおすすめです。

STEP7:もういちどSTEP1をやる

音読スピードが音声と同じくらいになったら、もういちど文書を通しで1回黙読します。時間も測りましょう。読み終わったら、再び10ページ目のWPM計測表をみてWPMを確認してください。

この2回目のWPMは、以下のような式になるのが理想です。

2回目のWPM
=「1回目のWPM+30以上」
例えば、1回目WPMが110の場合、2回目WPMは140以上が望ましい

もし上の式にならない場合、文書レベルが難しいかもしくは音読をしっかりやっていないかのどちらかです。

文書レベルの難しさは、1文書あたり分からない単語が5語以内におさまるレベルで学習しましょう。

レベル別のおすすめ参考書

速読のやり方が詳しく分かったところで、次はおすすめの速読教材です。効果的な学習を左右すると言っても過言ではありません。本屋さんやネットで良質な精読の参考書を選ぶ際に2つのポイントがあります。この記事で紹介している参考書も、全て以下のポイントを踏まえて選んでいます。

  1. 単語や文法のレベルが合っている
  2. WPM(Words Per Minute)が測れる

本記事では、TOEICスコアに相関した参考書のレベル分けを行っています。

TOEICスコア レベル
〜350点 まずは精読*
こちらをクリック
350〜550点 速読初級
550点〜750点 速読中級
750点〜 速読上級

*TOEICスコアが350点程度もしくはそれに満たない方は、速読よりも精読を行うことをおすすめします。速読初級に該当する方は、文法の学習も並行して行いましょう。

WPM(Words Per Minute)とは、1分間に読める単語数のことです。ビジネスシーンで通用する・TOEICリーディングパートが時間内に最後まで終えられるリーディング力は、WPM150以上と言われています。自分のWPMが理想にどれくらい近づいているかを確認するためにも、WPMが測れる参考書が良いです。

初級編(TOEIC350〜550点程度)

新TOEIC TEST初心者特急 読解編

タイトルとイラスト通り、初心者に適した参考書。精読トレーニングを行ったあとに初めて行う速読の参考書としておすすめです。全部で30の英文書で構成されており、難易度が徐々に上がっていくので筋トレと同じようにちょうど良い負荷がかかるようになっています。

中級編(TOEIC550〜750点程度)

TOEIC L&R TEST 読解特急2 スピード強化編

タイトル通り、読むスピードを強化したい人向けの参考書。特に、それなりのスコアが取れるようにはなってきたけど、もうワンランク上のスコアを取りたい人におすすめです。全部で30の英文書はメール形式のものからポスター形式まで様々なタイプのものが収録されており、TOEICスコアアップはもちろんのこと実用的なリーディング力も養える仕様になっています。

TOEIC L&R TESTサラリーマン特急 新形式リーディング

電車の中など、ちょっとした時間にサクッと取り組める参考書。『リーディング力を上げたいけどまとまった時間は取れない』という方におすすめです。TOEICのリーディングパート5,6,7の問題を全て掲載しているため、空いた時間の長さに応じて解く問題を変える工夫をすればより有効な使い方ができます。

TOEIC L&R TEST 読解特急5 ダブルパッセージ編

TOEICパート7の文書が2つ出てくる問題を攻略するための参考書。英文のボリュームが結構あるので、『長文になればなるほど正答率が下がる』『仕事中に英文を読んでいるとどうしても集中力が続かない』という方におすすめです。全部で20セット(1セットあたり2文書で構成)あるので、コンパクトながらも読み応えがあります。

上級編(TOEIC750点以上)

新TOEIC TEST読解特急3 上級編

リーディング力をあげたい上級者向けの参考書。『TOEICスコア800点、900点まで目指したい』『難しい文書をもっと速く読めるようになりたい』という方におすすめです。頻出単語リストへの不信感を持つレビューがいくつか散見されますが、あくまで速読の参考書なので気にする必要はありません。単語は単語帳で学習しましょう。

TOEICテストBEYOND 990超上級リーディング7つのコアスキル

リーディング力にさらなる磨きをかける参考書。英語の能力が十分あり、TOEICで900点以上を取れる力を持つ人におすすめです。安定的にTOEICリーディングパートで満点を取ることを目指すにあたり、壁となる原因を7つに分けて解説とドリル、演習という構成でパート横断的な講義をしています。

まとめ

速読の概要からおすすめ参考書、実際のやり方について解説しました。速読ができるようになればTOEICリーディングパートのスコアアップのみならず、仕事の英文メールや書類を読むスピードも格段に上がります。速読を毎日継続して行い、リーディング力を向上していきましょう。